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会長基本方針


2007年度 北海道地区協議会
会長 我孫子 周

目覚めよ!開拓者精神
「北海道の力」で新たな時代を切り開く
〜自信を持って未来へと託すことができる、明るい豊かな北海道を創造するために〜

【方針】


1834年(天保5年)10月。水戸藩第九代藩主、徳川斉(なり)昭(あき)は、蝦夷地の開拓と防備をときの老中、大久保忠(ただ)真(ざね)に建議し、蝦夷地の領有嘆願運動を開始しました。度重なる外国船の出没から攘夷の機運を持った水戸藩は、その領民を蝦夷地に大量移民させ、まだ見ぬ北の辺境に巨大な分国を築こうという壮大な構想を抱いたのです。
気性の激しさから「烈公(れっこう)」と呼ばれた斉(なり)昭(あき)は、自著「北方未来考(ほっぽうみらいこう)」にこう記しています。
『本朝(ほんちょう)六十六カ国、壱岐(いき)、対馬の二島を入って六十八カ国なれば、松前蝦夷、西はカラフト、東はシコタン、北は千島よりカムチャツカまでを「北海道」と定め、新たに国名(こくめい)御府(おんぷ)相成(あいなり)粒立(りゅうりゅう)たる』
それは、日本の歴史上初めて北の大地に「北海道」の名が与えられた瞬間だったのです。
1869年(明治2年)開拓使が設置され、「蝦夷地」から「北海道」へと正式に呼び名が変えられました。明治政府の計画的な開拓政策に呼応して全国各地から移住してきた先人達の開拓への絶え間ない努力によって、今日の北海道の発展がもたらされたのです。
先人達は、北海道の広大な大地を見たときに何を思ったのでしょう。
それは、決して絶望ではなく、明るい未来に対して壮大な夢と希望を抱いたに違いありません。
「北海道」の未来に思いを馳せ、夢を自分達の勇気と情熱に変え、そして、果てしなく広がる未開の大地が人々を「自分達の力で国をつくる」という意識へと駆り立て、心をひとつに力を合わせ、開拓の力へと繋げていったのです。
広大な自然によって育まれた寛容な心、厳冬の中で鍛えられた忍耐強さ、いろいろな地方の文化や価値観を先入観無しに受け入れる考え方、未開の地を開拓してきた精神、これらの北海道人気質は、北の大地であるからこそ養われ、脈々と私達のDNAの中に息づいてきたのです。この「北海道の力」こそが、明るい豊かな社会へと切り開いていく原動力となるのです。

【時代の先駆者たる青年として】
時代は、新たな社会システムへと移行していく過渡期にあり、地域主権時代へと急速に動こうとしております。また、経済においては、東海地区、関東地区の大手製造業を中心とした景気回復の声が聞こえますが、私達が暮らすこの北海道は、未だ景気回復の波に乗りきれずに多くの企業が影響を受けております。更には、地方自治体すら財政破綻を余儀なくされる時代背景の中で、ただ漠然と時が立つのを待ち、そこに暮らす住民でさえ誰かが解決してくれる事を望む「他人への依存意識」が、今の北海道の姿の根源であるように思います。このような状態のまま、法や制度ばかりが先んじて変わり、そこに暮らす住民の意識や心が置き去りにされたままであれば、日本の社会システムそのものが足元から崩れ始めていくのではないでしょうか。
家を建てるときに、地盤が弱ければ杭を打ち、その上に基礎を造り、しっかりとした土台を成してから、柱を建て、屋根、外壁、床、天井を建築していきます。国の土台は、「国民」であり、国民自身が主権者であり、社会を構成する主体者となって地域をつくり、地域が魅力ある国家を形成していく理想的な社会システムが地域主権型社会です。
その実現に向け、足元をしっかりと固めるべく、日本人として忘れてはならない「道徳心」や「思いやりの心」といった人の根底にある心の醸成、そして、「自分達のまちは、自分達でつくる」という意識へと住民の意識を変革する運動を展開しなければならないのです。土台さえしっかりすれば、現在内包する様々な多岐にわたる社会問題は解決へと向かうのです。
晴れ晴れとした、明るい豊かな社会へ向かって突破口を開いていくのは、誰かがやってくれるのを待っているのではなく、私達北海道JCメンバーが先駆者として「北海道の力」を持って、新たな時代を切り開いていかなければならないのです。

【ひとつになった北海道JCとして】
2000年社団法人札幌青年会議所主管によるJCI世界会議の開催、そして2002年の社団法人旭川青年会議所主管による全国会員大会の開催で、北海道地区協議会は「北海道JC」としてひとつにまとまり、大会の成功に大きく寄与しました。同時に、全国の会員会議所に対して、北海道JCの団結力、一体感を発信できたと共に、私達メンバーも、ひとつになったときの「北海道JCの力」を大いに感じることができた、それぞれの大会であったと思います。
2003年度北海道地区協議会から、諸大会が開催される年だけではなく、「北海道JCの力」を持続させるための組織進化が議論され、2006年度北海道地区協議会でエリア制を導入した背景があります。これまでに、4エリアにて展開してきた様々な事業は、友情を育み、北海道JCの推進力を高めていくためにも、大変重要な役割を担っております。エリア制の特性と北海道JCのスケールメリットを最大限活かし、北海道地区協議会が永きに渡り築き上げてきた輝かしい歴史と誇りを胸に、「北海道JCの力」をより増大させるための運動へと発展させます。また、北海道地区協議会の役員会や会員会議所会議で議論される案件に関しては、エリア調整会議での各エリアのLOMの意見をしっかりと反映させることで、深い議論と事業の整合性を図っていきます。
ブロック協議会は、各地LOMにとって一番近い日本青年会議所であることは、全国のLOMにとって当然のこととして認識されており、全国約4万人のネットワークを構築するためにも必要な組織体であると思います。北海道地区にある北海道ブロック協議会そのものは事業を行わない組織体でありますが、北海道地区協議会の副会長が北海道ブロック会長を兼務することで、日本JCと連動して行う運動や、LOM訪問などを行い、日本青年会議所会頭名代の役目を担う組織体制で望んでいきます。
2007年度には、社団法人帯広青年会議所主管による、全国会員大会「帯広大会」が開催されます。組織進化によってパワーアップした「北海道JCの力」を如何なく発揮し、北海道JCがより強い絆で結ばれ、元気な北海道を創造するきっかけとします。更には、理想国家日本を創造するきっかけを帯広大会から全国へ発信する大会にするために、北海道JCの総力をもって支援します。

【これからの青年会議所のあり方】
市民活動の象徴であるNPO法人は、北海道の中に1000を超える団体が認証を受けております。その数は、東京、大阪、神奈川に次ぎ4番目に多いのです。この事実は、私達、北海道民のDNAの中にある開拓者精神の存在を証明しているのではないでしょうか。NPO法人は、目的を特化させ、ある意味では、私達青年会議所よりも、ひとつの事に対して掘り下げた形で活動をされている団体ばかりです。逆に、青年会議所は、特定の社会問題に特化せずに、社会開発、経済、国際交流等多岐にわたる分野において運動を展開しています。また、行動力と全世界に繋がるネットワークを基盤としたビジネス的発想を持った若手青年経済人の集まりであることから、創造力を発揮して未来に顕在化する可能性のある社会問題に取り組み、実践に移すことができる組織なのです。
北海道JCが、様々な団体の中でも、あらゆる団体に頼られる団体であるために、そして、社会的に存在意義の高い組織となっていくためにも、「JC運動は、常に新しい運動でなければならない。そして、今日を明日への黎明と考え、明日のために今日の犠牲を払う運動なのだ」という言葉を忘れずに、常に新しい発想でビジョンを明確に持ち、今までに展開してきた運動のノウハウを最大限に活用し、行政やあらゆる団体と様々な形で関わりを持って運動を展開しなければならない時期にきているのです。
公益法人制度改革が平成20年4月に施行されます。北海道のすべてのLOMが、より社会的存在意義を高めてくために、公益法人会計基準や移行登記等にスムーズに対応できるように、日本青年会議所と連携をとりながら情報収集をし、セミナーを開催するなど、LOMの支援をしていきます。また、北海道地区大会を一年間取り組んできた運動の成果を発信・共有する場としてだけで捉えるのではなく、地域性の発信や道民意識の変革に繋げ、より公益性を重視した大会とします。

【「市民」意識変革のきっかけ】
CSR(Corporate Social Responsibility)という言葉を、最近、様々な場面で耳にするようになりました。この「企業の社会的責任」の範囲はおおきく広がりを見せ、雇用拡大による地域経済の活性化、地域への社会貢献、地球規模で見た環境に対しての配慮といったように、様々な分野に対して企業の存在価値と責任が問われてきております。
「市民」に視点を当てた場合、行政サービスを受け、町内会に代表される地域コミュニティや、企業からのサービス提供など、様々な関わり合いの中で暮らしている以上、もうひとつのCSR(Citizen Social Responsibility)すなわち、「市民」としての社会的責任が問われてくる時代なのです。まちの未来を考え、何かしらの行動に移していかなければならないという社会的責任を自覚した「市民」が集い、地域コミュニティが活性化し、「地域力」が高まったとき、大きな「北海道の力」となって、新たな社会システムの根幹を築くのです。
数年前に青年会議所でも取り上げられた「100万人のキャンドルナイト」は、今、全世界に広がりを見せ、北海道の各地でも様々な形で実践されている運動のひとつです。夏至の日に電気を消して、ロウソクの明かりの下に、スローな夜を・・・。とても簡単で、実践しやすい運動です。この運動は規定や形にこだわっているものではなく、また、人集めや集客目的のイベントでもないのです。人として大切な「道徳心」や「思いやりの心」そして、人と人との深い「心の絆」が根底に求められている運動なのだと思います。日本青年会議所が世界に向けて発信している「OMOIYARI運動」と連動をしながら、北海道の各地で「心の絆」を深め、「市民」が社会的責任を自覚するきっかけとなる運動を実践します。
また、国民主権行使の際たる統一地方選挙や首長選挙においてマニフェストを用いた公開討論会を日本青年会議所と連携して開催を推進するなど、地方分権時代に対応できる住民の意識変革運動を行い、「市民」主導型のまちづくりの根幹を築き上げます。

【地域主権型社会の実現に向けて】
現在、北海道では、地域のことは地域自らが決めることができる地域主権型社会の実現に向けて、全国に先駆けて道州制の推進に取り組んでおり、将来を見据えた支庁制度改革や、道から市町村への役割・権限の移譲、自主的な市町村合併など、北海道内の組織改革をはじめとする準備が加速度的に進みつつあります。この現代の開拓者精神とも言える取り組みを、北海道に住むすべての人にどう根付かせるかが重要な課題であるのです。官と民の間には、様々な目に見えない「意識の差」があり、その差を埋めていくのが青年会議所の役目です。地域の総合的な行政主体となる「市町村」と密着して運動を展開している各地青年会議所が、北海道と地方自治体、そして、そこに暮らす住民・NPOとの間に入って、主体的な仲介役としてのインターミディアリー機能を果たし、地域主権型社会実現への推進役としての運動を展開すると共に、全国各地の自治体運営を研究し、北海道JCが考える、これからの新しい地方自治体のあり方を提言するなど、実践する政策集団として、様々な問題に対してタイムリーに提言の出来る機動力ある組織体制で取り組みます。
また、北海道各地の様々な問題や、北海道の活力を向上させる地域の取り組みについて、日本青年会議所のJCCSなどを活用して、北海道JCすべてのメンバーの意見を集約し、しっかりと議論をした上で、カウンターパートナーである北海道と未来を見据えた地域政策について密な意見交換、情報交換を行い、北海道の各地LOMに有用な情報としてフィードバックしていきます。

【北方領土問題の解決へ向けて】
1945年(昭和20年)8月に北方領土がソ連に不当占拠された当時の根室町長安藤石(いし)典(すけ)氏は、戦後、日本人として誰よりも早く、北方領土返還を訴えた方です。不当占拠された、わずか3ヶ月後に、彼はGHQのダグラス・マッカーサー元帥宛に町長の肩書きで直訴状を提出し返還運動を実践しています。そして、町民からの、当面の安全操業暫定協定を結ぶべきだとの主張に対して、町民に配慮しながらも、断固、国益を守り、北方領土の返還を「それでも、やり遂げなければならない」と後へは引かなかったそうです。誰よりも早く、そして将来の日本の国益を考え、行動に移し、返還運動を唱えた男。まさに青年会議所メンバーに求められる資質を感じさせられました。
私達、北海道JCメンバーは、国家主権の問題を、2月7日の「北方領土の日」に合わせて行う北方領土返還要求署名活動と、夏の北方領土返還要求現地視察大会で改めて思い起こすことができます。国民一人ひとりの国家主権が脅かされているにも関わらず、そのことに無関心な国民が多く、地域や年代によって意識の温度差があるのは否めない事実でありますが、何も行動に移さずに、黙っていれば、国家としての権利も、日本人としての魂も失ってしまうのです。
2006年8月。北方領土・貝殻島の周辺海域で操業中の根室市のカニかご漁船がロシア国境警備隊の銃撃を受けて、乗組員の未来ある青年の命が奪われました。このような人道的見地で考えても到底許されない事件がもう二度と起こらないように、私達は、この北方領土返還運動を日本中の多くの人に拡げ、世論を動かし、問題解決に向けた実質的な運動とするために、「北海道の力」を持って行動を起こす時なのです。

【勇気、情熱、あきらめない心】
2006年の夏、駒大苫小牧高校が3連覇をかけた高校野球甲子園大会。
3連覇というプレッシャーと不祥事を乗り越え、過去2年と変わらずの快進撃で3年連続の決勝戦に進出しました。その原動力となったのは、勇気、情熱、決して夢をあきらめない心、そして、チームメイトを信じ、監督を信じ、夢の実現のために、自分は今何をやらなければならないのかということを選手一人ひとりが考え、行動に移していった精神に他ならないのです。
この精神は、北海道中へと伝わり、多くの道民に勇気と感動を与えてくれました。ともすると、この盛り上がりは地元苫小牧だけで終始するような気がしますが、北海道は他の都府県とは違い、北海道のすべてのまちで自分のまちの代表校のように応援をします。誰もが、あきらめてしまうような大差で引き離された試合でも、選手も監督もスタンドや地元北海道で応援しているすべての人が、「決して最後まであきらめない」という気持ちを抱いたのではないでしょうか。こんな気持ちを共有することができたのは、北海道に住むすべての人が、心の根底に「北海道はひとつ」という郷土愛を持っているからに違いありません。
勇気と、情熱と、決してあきらめない心

北海道に開拓者精神を今一度目覚めさせ、「北海道の力」を抱き、自信を持って未来へと託すことができる明るい豊かな北海道を創造するために、北海道JCは時代の先駆者として行動し、時代を動かす力とならなければならないのです。

目の前の変化のみに成果を求め、達成感を感じてはいないか
新しい事に挑戦することに臆する事無く、可能性を追い続けているか
自分に言い訳せずに、信念を貫き通す勇気と情熱を持ち続けているか

未来へと繋ぐもの、未来に残していかなければならないこと
今、我々が行動に移さなければならないことは何なのか
それは、決して容易なことではないはずです
しかし、北海道JCメンバーなら「できる」と信じています




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